動けない、何もしたくない。それ、大切な心からのサインかもしれません。うつ病かも?と思ったときの過ごし方
動けない、何もしたくない。それ、もしかしたら心からの大切なサインかもしれません
最近、「なんだか体が重くて動けない」「やらなきゃいけないことがあるのに、どうしてもやる気が出ない」「一日中、ただ横になっていることしかできない」と感じることはありませんか?
こうした感覚が続くと、「自分はなんて怠け者なんだろう」「みんなはできているのに、どうして自分だけできないんだろう」と、ご自身を責めてしまうかもしれません。
でも、もしあなたが今、まさにそうした状態にあるとしたら、それはもしかすると、あなたの心や体が「もう限界だよ、休ませてほしい」と送っている、大切なサインなのかもしれません。
「もしかして、うつ病なのかな?」と不安を感じている若い世代の方に向けて、今回は「動けない」「何もしたくない」という状態が示す可能性と、そんな時にご自身を責めずに過ごすためのヒントをお伝えします。
「動けない」「何もしたくない」は、怠けではなく病気のサインかも
「動けない」「何もしたくない」という状態は、単に「やる気がない」といった一時的なものではなく、うつ病をはじめとする心の不調の代表的なサインの一つとして知られています。
うつ病になると、脳の働きの一部が低下し、感情や意欲、思考などをうまくコントロールできなくなることがあります。そのため、これまで当たり前にできていたような簡単なことでも、始めることが非常に難しくなったり、何もする気力が湧かなくなったりするのです。
これは、あなたの意思の弱さや怠慢ではありません。心や体が疲れ果ててしまい、本来の機能を発揮できなくなっている状態なのです。ちょうど、スマートフォンが充電切れで動かなくなるのと似ているかもしれません。
だから、自分を「怠け者だ」と責める必要は全くありません。それは、あなたの体と心が休息を必要としている証拠なのです。
「休む」ことを自分に許してあげる大切さ
「動けない」「何もしたくない」と感じる時、最も大切なのは、「休む」ことをご自身に許してあげることです。
私たちは普段、「休む=何もしていない=悪いこと」のように感じてしまいがちです。特に、周りが忙しそうにしているのを見ると、自分だけ休んでいることに罪悪感を覚えてしまうこともあるでしょう。
しかし、心や体が疲弊している時に無理に動こうとすることは、状態をさらに悪化させてしまう可能性があります。例えるなら、骨折しているのに無理に走ろうとするようなものです。
「今は、私には休息が必要な時期なんだ」と受け入れ、ご自身に休むことを許可してあげてください。「完璧に休まなければいけない」と考える必要はありません。ただ横になっているだけでも、ぼーっとしているだけでも良いのです。
「何もできない」と感じる時の、小さな過ごし方のヒント
「何もできない」と感じる時、何か特別なことをする必要はありません。むしろ、無理に何かをしようとしないことが大切です。
それでも、もし少しだけ余裕がある時に、ご自身の心と体が少しでも楽になるような、ごく小さなことを見つけることは助けになるかもしれません。
- 暖かい飲み物をゆっくり飲んでみる: コーヒーでもお茶でも、お白湯でも構いません。温かさが体にじんわり染み渡るのを感じてみましょう。
- 窓の外をぼーっと眺めてみる: 空の色や雲の形、木々の揺れなど、流れる景色をただ見つめてみます。
- 肌触りの良いブランケットにくるまってみる: 体を優しく包む感触に意識を向けてみます。
- 静かな音楽を聴いてみる: 歌詞のないインストゥルメンタルなども良いかもしれません。音に耳を傾けてみましょう。
- ただ、心地の良い場所で横になる: ベッドでもソファでも、自分が一番安心して力を抜ける場所で、何も考えずにただ存在してみましょう。
これらは「やらなければならないこと」ではなく、「もし少しでもできそうなら、試してみても良いこと」です。できなくても、全く問題ありません。ご自身を責めないでください。
もし、「この状態が続いている」「つらさが軽減しない」と感じるようであれば、一度専門家にご相談してみることも大切な一歩です。心療内科や精神科、あるいは地域の相談窓口など、話を聞いてくれる場所があります。すべてを一人で抱え込む必要はありません。
大丈夫、回復への道は必ずあります
「動けない」「何もしたくない」という状態は、非常につらく、先が見えないように感じられるかもしれません。しかし、これは適切な休息やサポートによって回復が見込める状態であることが多いのです。
すぐに「何もできない」状態から抜け出せなくても、大丈夫です。回復は直線的な道のりではなく、一歩進んで半歩下がるようなこともあります。大切なのは、ご自身を責めすぎず、心と体が発しているサインに耳を傾け、「休む」というご自身への許可を出し続けることです。
あなたは一人ではありません。同じような経験をした人はたくさんいます。そして、そうした時期を乗り越えて、少しずつ回復に向かっている人もたくさんいます。
もし今、あなたが深い霧の中にいるように感じていても、必ず光が差し込む日は来ます。まずは、ご自身の心と体が休息を求めていることを認め、自分に優しくすることから始めてみてください。
このサイト「みんなの回復ノート」には、同じような経験をした方々の声や、回復に向けた様々な情報があります。あなたが一人ではないと感じられる場所として、少しでもお役に立てれば幸いです。