うつ病と診断されたとき、これからどうすればいいの？不安な気持ちと向き合う最初の一歩
もし今、「うつ病です」と診断されたばかりで、この記事を読んでくださっているとしたら、心からお疲れ様です。診断を受けるまでにも、きっとたくさんの葛藤や不安があったことと思います。そして、診断名を聞いて、さまざまな気持ちが巡っているかもしれません。
これからどうすればいいのだろうか、本当に良くなるのだろうか、周りにどう話せばいいのだろうか。そんな漠然とした不安でいっぱいになっている方もいるかもしれません。
このサイトは、うつ病を経験した方々が、その体験やそこから得た知識を共有する場所です。あなたが今感じている戸惑いや不安は、決してあなた一人だけが抱えているものではありません。多くの人が、診断を受けたばかりの頃に同じような気持ちを経験しています。
ここでは、診断を受けたばかりのあなたが、少しだけ気持ちを整理し、回復に向けて「最初の一歩」を踏み出すためのヒントを、やさしい視点からお伝えしたいと思います。
うつ病と診断されたとき、どんな気持ちになるのでしょうか？
診断を受けたときの気持ちは、人それぞれです。もしかしたら、
- ショックで頭が真っ白になっている
- ずっと感じていたつらさに名前がついて、少しだけホッとしている
- 「やっぱりそうだったんだ」と納得している
- 「まさか自分が」と信じられない気持ちでいる
- これからどうなるのか、将来への不安でいっぱいになっている
- 病気になった自分を責めてしまう
など、色々な感情が入り混じっているかもしれません。あるいは、感情そのものが麻痺してしまって、何も感じないという方もいます。
どんな気持ちであっても、それは自然な反応です。自分の気持ちに「良い」「悪い」と評価をつける必要はありません。まずは、「今、自分はこんな気持ちなんだな」と、ただ受け止めてあげるだけで十分です。
「病気」を受け止めるということ
「うつ病」という言葉を聞いて、すぐに病気になったことを受け入れられる人もいれば、時間がかかる人もいます。病気を受け止めるということは、簡単なことではありません。
「自分が心の病気になるなんて」「きっと、もっと頑張れば良くなるはずだ」「ただの気の持ちようじゃないのか」――そんな風に思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、うつ病は「心の弱さ」や「甘え」ではありません。脳の機能的な変化や、ストレスなどが複雑に絡み合って発症する病気です。風邪や怪我と同じように、適切な治療や休息が必要な状態なのです。
今はまだ、病気だと認めたくない気持ちがあるとしても大丈夫です。少しずつ、「自分は今、病気という状態なんだな」と理解しようとすること。それ自体が、回復に向けた大切な一歩になります。
これからどうすればいいの？不安を和らげるための最初の一歩
診断を受けた後、「これから何をすればいいのだろう」という不安を感じるのは当然のことです。すべてを一度に解決しようと焦る必要はありません。まずは、無理のない範囲で、自分にとっての「最初の一歩」を見つけてみましょう。
1. 焦らないこと
うつ病の回復は、風邪のようにすぐに治るものではありません。ゆっくりと時間をかけて進んでいく道のりです。良くなったり悪くなったり、波があることも珍しくありません。一歩進んで二歩下がってしまうように感じても、それは回復のプロセスの一部です。焦らず、自分のペースで進んでいくことが大切です。
2. 専門家を信頼すること
医師やカウンセラーといった専門家は、あなたの回復をサポートするための知識と経験を持っています。診察の際に、今感じている不安や疑問を正直に話してみましょう。「こんなことを聞いてもいいのかな」と思うようなことでも、遠慮なく尋ねてみてください。自分の状態や治療について理解することは、不安を和らげることにつながります。
3. 小さな変化に目を向けること
「早く元の自分に戻りたい」と思う気持ちは自然ですが、最初から大きな変化を目指すと、かえってつらくなってしまうことがあります。
「今日は少しだけ散歩ができた」「ごはんを少し食べられた」「起き上がるのが昨日より楽だった」
どんなに小さなことでも構いません。できなかったことではなく、できたこと、少しでも変化があったことに目を向けてみましょう。小さな成功体験を積み重ねることが、自信につながります。
4. 信頼できる人に話してみること
一人で悩みを抱え込まずに、信頼できる家族や友人、パートナーに今の気持ちを話してみることも大切です。すべてを理解してもらえなくても、「話を聞いてもらえた」というだけで心が軽くなることがあります。もし身近に話しやすい人がいない場合は、専門の相談機関を利用することも考えてみましょう。インターネットや電話で匿名で相談できる窓口もあります。（具体的な機関名はここでは挙げませんが、医療機関や地域の相談窓口などで情報を得られる場合があります。）
5. 情報を集めること（ただし注意点も）
うつ病について正しい知識を得ることは、不安を軽減し、病気と向き合う上で役立ちます。しかし、インターネット上には様々な情報があふれており、中には不正確なものや、かえって不安を煽るような情報もあります。情報を集める際は、信頼できる情報源（医療機関のウェブサイト、公的な機関のサイトなど）を選ぶようにしましょう。そして、情報を知りすぎたことでかえって混乱したり、自分を追い詰めたりしないよう、ほどほどにすることが大切です。
自分を大切にする時間を増やす
うつ病と診断された今、何よりも大切なのは、自分自身を大切にすることです。頑張りすぎてしまう癖がある方は、意識的に休息を取るようにしましょう。
- 十分な睡眠をとる（寝すぎも良くないことがありますが、まずは必要な休息を）
- バランスの取れた食事を心がける
- 無理のない範囲で、体を動かす（散歩など）
- 好きな音楽を聴く、ぼーっとする時間を作る
- アロマを焚く、温かいお風呂に入るなど、リラックスできることを試す
これらはセルフケアのほんの一例です。完璧に行う必要はありません。「これなら今日の自分にもできそうかな」と思えることから、一つずつ取り入れてみてください。そして、もし「今日は何もできなかったな」と感じても、自分を責めないでください。休息することも、大切な回復へのプロセスです。
一人で抱え込まないで
うつ病は孤独を感じやすい病気です。しかし、あなたは一人ではありません。同じように病気と向き合っている人はたくさんいます。この「みんなの回復ノート」という場所が、あなたにとって、自分だけではないと感じられる、少しでも安心できる場所になれば嬉しいです。
回復への道のりは、決して平坦ではないかもしれません。でも、一歩ずつ、自分を大切にしながら進んでいくことで、必ず光は見えてきます。
もし今、先のことが見えなくてつらい気持ちの中にいるとしても、希望を捨てないでください。そして、困ったときには、周りの助けを借りることをためらわないでください。
あなたの回復を、心から応援しています。