「自分が悪いんだ…」その自己否定感、うつ病のサインかも。自分を責めないで知ってほしいこと
「どうせ自分なんて…」そう感じていませんか？
最近、気分の落ち込みや意欲の低下を感じ、「もしかして、うつ病かもしれない」と漠然とした不安を抱えているかもしれません。
そんなとき、心のどこかで「自分が弱いせいだ」「頑張りが足りないんだ」「どうせ自分なんてダメなんだ」と、自分自身を責めてしまうことはありませんか？
もし、あなたが理由もなく「自分が悪いんだ」と感じてしまったり、過去の出来事に対して過度に罪悪感を抱いてしまったりするなら、それはもしかすると、うつ病のサインの一つとして現れている自己否定感かもしれません。
一人でその辛い気持ちを抱え込んでいるあなたへ、まず知ってほしいことがあります。それは、その自己否定感は、あなたの人間性や努力不足のせいではない可能性が高いということです。
うつ病と自己否定感の関係
うつ病は、「心の風邪」と例えられることもありますが、脳の機能的な変化によって起こる病気の一つと考えられています。気分の落ち込みや意欲の低下だけでなく、思考力の低下、集中力の欠如、睡眠障害、食欲不振など、さまざまな症状が現れます。
そして、多くのうつ病の経験者が語る症状の一つに、「自己否定感」や「罪悪感」があります。
- 「周りの人に迷惑をかけている」
- 「価値のない人間だ」
- 「些細なミスが許せない」
- 「過去の失敗ばかり考えてしまう」
こうした気持ちは、病気の影響でネガティブな思考に囚われやすくなっているために生じることがあります。つまり、あなたが感じている「自分が悪い」という気持ちは、病気がそう感じさせている可能性があるのです。
自分が病気かもしれないという不安に加えて、こうした自己否定感が加わると、さらに苦しさが増してしまいます。「この苦しみは自分が弱いからだ」と考えてしまうと、誰かに相談することも躊躇してしまい、孤独感が深まってしまいがちです。
自分を責めないでほしい理由
もし、あなたが今、自分を責める気持ちでいっぱいなら、どうか少しだけその手を緩めてみてください。自分を責めることは、今のあなたにとって何の助けにもなりません。むしろ、エネルギーをさらに奪い、回復を遠ざけてしまう可能性があります。
自分を責めないでほしい理由はいくつかあります。
- それは病気の症状かもしれないから： 先ほどもお伝えしたように、自己否定感はうつ病の代表的な症状の一つです。病気が引き起こしている反応に対して、自分自身を責める必要はありません。
- 回復には休息が必要だから： 心と体が疲れているサインかもしれません。自分を責め続けることは、さらに心に負担をかける行為です。まずは自分を許し、心と体を休ませることを最優先に考えてください。
- 前向きな一歩が見えにくくなるから： 自分を否定していると、「どうせ無理だ」と考えてしまい、回復に向けた小さな一歩を踏み出すエネルギーが湧きにくくなります。
あなたは決して弱くありません。そして、あなたのせいでもありません。今は、心と体が休息を求めている時期なのかもしれない、そう考えてみることが、自分を責めないための一歩となるでしょう。
自己否定感と向き合うためのヒント
自己否定感は非常に辛いものですが、少しずつ向き合っていく方法はあります。
1. これは病気の症状かもしれない、と捉えてみる
自分を責める気持ちが湧いてきたときに、「あ、これはうつ病の症状で、病気が私にそう感じさせているんだな」と客観的に捉えてみようと意識してみてください。すぐにできなくても構いません。そう思うことで、感情と自分自身を少し切り離せるかもしれません。
2. 完璧主義を手放してみる
「〜でなければならない」「完璧にこなさなければならない」といった強いこだわりは、うまくいかなかったときに自己否定につながりやすい考え方です。少しの間、「〇〇でもいい」「今日はここまでで大丈夫」と、自分に許可を与えてみてください。
3. 信頼できる人に話してみる
一人で抱え込まず、自分の気持ちを話せる人を探してみましょう。家族や友人、職場の同僚など、信頼できると感じる相手に「最近、なんか自分を責めちゃうんだよね」と打ち明けてみるだけでも、心が軽くなることがあります。誰かに話すことで、自分一人では気づけなかった視点を得られることもあります。
4. 専門家のサポートを検討する
「うつ病かもしれない」と感じている段階であれば、医療機関（心療内科や精神科）や、地域の相談窓口などに相談してみることも非常に有効です。専門家は、自己否定感が病気の症状なのかどうかを判断し、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。自分の気持ちを言葉にするのが難しくても、専門家は寄り添って話を聞いてくれるはずです。
5. 自分をいたわる小さな行動を試す
自己否定感が強いときは、「自分には価値がない」と感じてしまいがちですが、意識的に自分自身をいたわる時間を作ってみましょう。温かい飲み物を飲む、好きな音楽を聴く、短い時間でも横になる、など、自分が心地よいと感じることを一つでも取り入れてみてください。小さな積み重ねが、「自分を大切にしても良いんだ」という感覚につながるかもしれません。
一人で抱え込まないでください
自己否定感は、あなたが決して「弱い」から感じるものではありません。それは、あなたの心と体が発しているSOSのサインかもしれません。
もし今、自分を責める気持ちに苦しんでいるなら、まずは「これは病気のサインかもしれない」と自分に優しく語りかけてみてください。そして、その辛い気持ちを一人で抱え込まず、誰かに話してみる、相談できる場所を探してみる、といった一歩を踏み出すことを検討してみてください。
回復への道のりは人それぞれで、「すぐに楽になる」といった簡単なことではありません。焦らず、ゆっくりと、自分自身に寄り添いながら進んでいくことが大切です。
あなたは一人ではありません。同じような経験をした仲間がいます。あなたの気持ちを理解しようとしてくれる人がいます。この「みんなの回復ノート」も、あなたの回復に向けた旅の隣にそっと寄り添える場所でありたいと願っています。
自分を責めずに、少しずつ、心穏やかな日々を取り戻していきましょう。