みんなの回復ノート

うつ病と向き合い始めたあなたへ。焦らず、自分を責めずに歩むための大切なこと

Tags: うつ病, 向き合い方, 回復, セルフケア, 相談

「もしかして、うつ病かもしれない…」「うつ病と診断されたばかりで、これからどうなるんだろう…」

今、もしあなたが漠然とした不安や体のつらさを感じていたり、診断結果に戸惑っていたりするなら、心の中はたくさんの疑問や感情でいっぱいかもしれません。

これまで当たり前にできていたことが難しくなったり、「どうして自分はこんなこともできないんだろう」と自分を責めてしまったり。あるいは、誰かに相談しようと思っても、何をどう話せば良いのか分からず、一人で抱え込んでしまうこともあるかもしれません。

このしんどさは、いつまで続くのだろうか。自分は一体どうなってしまうのだろうか。

もし、あなたがそんな風に感じているとしても、それは決してあなた一人の問題ではありません。そして、同じように感じながらも、一歩ずつ回復への道を歩んでいる人はたくさんいます。

このページが、そんなあなたの不安な気持ちに少しでも寄り添い、これからの道のりを焦らず、自分を責めずに歩んでいくための小さなヒントになれば幸いです。

うつ病と向き合うということ

うつ病は、気の持ちようや甘えなどではなく、脳の機能に関わる病気だと言われています。そのため、「頑張れば治る」「気合で乗り越えられる」といった性質のものではありません。

この病気の特徴の一つに、感情や意欲の低下だけでなく、自分自身を否定的に捉えてしまうことがあります。「自分が悪いからだ」「もっとしっかりしなきゃ」と、つらい状況の原因を自分自身に求めてしまいがちです。

しかし、それはうつ病という病気が引き起こす症状の一つであることが多いのです。病気が、そう思わせてしまっている可能性がある、という視点を持つことが、自分を責めないための第一歩になります。

病気を受け入れること自体にも、戸惑いや抵抗があるかもしれません。「自分が病気だなんて認めたくない」「周りに知られたくない」と感じることもあるでしょう。病気と向き合うということは、必ずしもすぐに全てを受け入れることではありません。まずは「今は少し心の調子を崩しているのかもしれない」と、ありのままの自分の状態に目を向けてみることから始まるのかもしれません。

自分を責めないための大切な視点

うつ病と向き合う上で、最も大切なことの一つは、「自分を責めない」ということです。

これまで当たり前にできていた家事や仕事、学業が難しくなったり、人と会うのが億劫になったりするのは、あなたの努力不足や性格の問題ではなく、病気による症状であることが多いです。

「〇〇しなければならない」という理想や、「以前の自分はできたのに」という過去の自分と比べて、落ち込んでしまうことがあるかもしれません。そんな時は、少しだけ立ち止まって、「今の自分は病気と闘っている最中なのだから、できなくて当然だ」と、自分に優しく語りかけてあげてください。

完璧を目指す必要はありません。むしろ、今は「完璧にできない自分」を受け入れる練習をする時期かもしれません。

また、自分を責める気持ちが強くなる時は、信頼できる誰かに今の気持ちを話してみることも有効です。言葉にすることで、自分の中で整理がついたり、話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になったりすることがあります。

回復への道のりは「焦らない」が大切

うつ病の回復は、熱が出ればすぐに下がる風邪のように、一直線に進むものではありません。良くなったり悪くなったり、波があるのが自然な経過です。

「早く元気になりたい」「いつになったら治るんだろう」と焦る気持ちが出てくるのは当然のことです。しかし、回復を急ぎすぎると、かえって自分を追い詰めてしまうことがあります。

他人と比べることも、焦りを生む原因になります。「あの人はもう回復したのに」「どうして自分だけ」と感じるかもしれませんが、回復のペースは人それぞれです。あなたのペースで、ゆっくりと進んでいくことが何よりも大切です。

時には立ち止まったり、後戻りしているように感じたりすることもあるかもしれません。そんな時でも、自分を責めないでください。それは回復の過程で起こりうる自然なことです。焦らず、「今は休息が必要な時なのだ」と受け止めることが、長い目で見れば回復への近道になります。

今、自分にできる「小さな一歩」を見つけるヒント

「何もする気が起きない」「体が重くて動けない」と感じている時でも、全く何もできないわけではありません。ほんの少しだけ、今の自分にできそうな「小さな一歩」を見つけてみましょう。

それは、例えば:

これらの「小さな一歩」は、何かを成し遂げるためではなく、今の自分の心や体を少しだけ労わるためのものです。できなくても自分を責めず、もし一つでもできたら、それを「今日の自分はこれができた」と認めてあげてください。

疲れている時は、無理に活動しようとせず、休むことを優先しましょう。「休むことは悪いことではない」「今は自分を大切にする時だ」と自分に許可を出すことが大切です。

誰かに相談することの安心感

うつ病と向き合う道のりは、一人で抱え込むにはあまりにも辛いものです。あなたの周りには、心配してくれる家族や友人、そして専門家など、頼れる人が必ずいます。

「こんなこと話しても迷惑かな」「うまく伝えられないかもしれない」と躊躇してしまうかもしれませんが、話すこと自体が、あなたを一人ぼっちではないと感じさせてくれることがあります。

医療機関を受診している場合は、主治医やカウンセラーに今の正直な気持ちを伝えてみましょう。専門家の視点からのアドバイスやサポートは、大きな助けになります。

もし、まだ医療機関にかかることに抵抗がある場合でも、地域の相談窓口や、匿名で利用できるチャット相談など、様々な形で相談できる場所があります。一人で抱え込まず、「話してみようかな」と思える場所にアクセスしてみることを考えてみてください。

まとめ

うつ病と向き合う道のりは、決して簡単なものではないかもしれません。不安になったり、立ち止まったりすることもあるでしょう。

しかし、あなたは一人ではありません。同じような経験をした人はたくさんいますし、あなたの回復を願っている人も必ずいます。

焦らず、自分を責めず、今の自分の心と体の声に耳を傾けながら、ゆっくりと、そして確実に、回復への道を歩んでいくことができます。

つらい時は、無理せず休んでください。助けが必要な時は、誰かや専門家を頼ってください。そして、どんな小さな一歩でも、できた自分を褒めてあげてください。

あなたが自分自身を大切にしながら、穏やかな日々を取り戻せるよう、心から応援しています。