みんなの回復ノート

「うつ病」と診断されて戸惑ったら。病名に囚われすぎず、自分と向き合うヒント

Tags: うつ病, 診断, 受け止め方, 不安, 回復

うつ病と診断されたとき、多くの方が大きなショックや戸惑いを感じるのではないでしょうか。

「まさか自分が」 「どうして病気になってしまったのだろう」 「これからどうなってしまうのだろう」

様々な思いが駆け巡り、不安でいっぱいになるかもしれません。病名を告げられることは、決して軽いことではありません。そのつらい気持ち、どうぞ一人で抱え込まないでください。

ここでは、うつ病という診断をどのように受け止め、これから自分自身と向き合っていくためのヒントについてお伝えしたいと思います。

「うつ病」という診断名が意味すること

まず知っていただきたいのは、「うつ病」という診断名は、あなたのすべてを規定するものではないということです。これは、現在の心と体の状態を理解し、適切なサポートや治療につなげるための「手がかり」のようなものです。

病名を聞くと、ネガティブなイメージにとらわれてしまったり、「自分は病気なんだ」と自分自身を否定的に見てしまったりすることがあるかもしれません。しかし、病気であることと、あなたの人間的な価値は全く別物です。病気は、誰にでも起こりうる心の不調であり、回復が可能です。

診断名は、あなたの抱えているつらさが、一時的な気の落ち込みや怠けなどではなく、医学的なサポートが必要な状態であるということを示しています。それは、あなたが「一人で頑張りすぎなくても良い」というサインでもあります。

病名に囚われすぎないためのヒント

診断名を受け止めることは大切ですが、その言葉にあまりにも囚われすぎてしまうと、かえって自分を追い詰めてしまうこともあります。病名に振り回されず、自分自身と向き合うために、いくつか意識してみると良い点があります。

1. 情報収集は冷静に、信頼できる情報源から

うつ病について知ることは、病状や治療への理解を深める上で役立ちます。しかし、インターネット上には様々な情報があふれており、中には不正確だったり、不安を煽ったりするような情報も少なくありません。

情報収集をする際は、厚生労働省や医療機関、信頼できる相談機関などが発信している情報など、公的なものや専門家が監修しているものを選ぶようにしましょう。そして、一度にたくさんの情報を詰め込むのではなく、少しずつ、自分のペースで理解していくことが大切です。

2. 病気=自分自身ではないと意識する

うつ病は、脳の機能的な偏りやストレスなどが複雑に絡み合って起こると考えられています。あなたの性格や、心の弱さが原因で発症するわけではありません。

病気によって意欲がなくなったり、ネガティブに考えてしまったりすることがあっても、「これは病気の症状なんだ」と理解することで、自分自身を責める気持ちを少し和らげることができるかもしれません。あなたは病気そのものではなく、病気と向き合いながら回復を目指している一人の人間です。

3. 回復のプロセスは人それぞれ

うつ病からの回復には個人差があります。診断を受けたらすぐに良くなるわけではなく、波がありながら少しずつ進んでいくのが一般的です。他の人と比べて「なぜ自分は回復が遅いのだろう」などと焦る必要は全くありません。

大切なのは、自分のペースで、小さな変化にも目を向けることです。体調が良い日もあれば、そうでない日もある。それで良いのです。「病気だからこうあるべき」という固定観念を持たず、今の自分にとって何が必要かを丁寧に探っていくことが回復への一歩となります。

これから自分と向き合うための一歩

うつ病と診断されたことは、確かに大きな出来事です。しかし、それは同時に、これまでのつらさに光を当て、回復に向けて歩み始めるための大切なきっかけでもあります。

これから自分と向き合っていくために、次のようなことを考えてみませんか。

最後に

うつ病という診断は、ゴールではなくスタートです。病名に圧倒されてしまうこともあるかもしれませんが、それは自分自身を理解し、より良く生きていくための新たな一歩を踏み出すための機会でもあります。

焦らず、自分を責めず、今のあなたの状態を大切にしてください。そして、一人で抱え込まず、周りのサポートを借りながら、ゆっくりと、あなた自身のペースで回復への道を歩んでいきましょう。あなたは一人ではありません。